三之公林道P〜キノコ股谷〜山ノ神ノ頭1099.1m〜ブナノ平〜湯谷左岸尾根【台高】




囲炉裏1名
2008年04月05日(快晴) 
 
                             
1月添谷山に続く大ブナ探し(幹周り6m越え)第2弾、冬季台高縦走をキ−ワ−ドにチマチマと検索、奈良のN山友会が名付けたブナの大木が点在する‘ブナノ平’が気になる、大ブナは植林された中にあるとの事なので復路は湯谷左岸尾根もチェック、他にKさんの‘台高縦走路上、幕営地偵察、ブナノ平はどんなかな?’のレポを読みバイカオウレンの群生にも惹かれ行きたい気分全開!、Kさんの他のレポも見ていると11月同じ日には地蔵谷にも行かれている、もしかして?やはり鳴滝Pでお会いした方でした。
山ノ神ノ頭から南の縦走路はまだ未踏部分が多いのもありヒル出没前にお出かけ。
1月は路肩崩落工事中で林道終点まで入れなかったが工事も終わりすんなりと一番乗りでP着、雲一つない快晴である。
  GPS軌跡
 
コースタイム(全行程約10時間半・全歩行距離約14km)
三之公林道終点P08:20〜キノコ股谷08:45〜11:45山ノ神ノ頭11:55〜13:45ブナノ平(昼食)14:55〜湯谷左岸尾根取り付き15:45〜17:55三之公川湯谷出合18:05〜18:45三之公林道終点P

←キノコ股谷。
山ノ神の祠前で山行祈願を済ませ階段を上がり明神滝方面へ、可憐なスミレやネコノメソウを見ながら薄暗い遊歩道を進めば河原へと下る分岐があり看板には‘明神滝へは行けません’と書かれているがキノコ股谷に入るにはここから河原へと下る。
しばらくで二俣となり右股がキノコ股谷、沢の淵や釜のエメラルドグリ−ンも日射しが注ぎいっそう透き通って見える、右岸から左岸へ何度か木橋を渡るが基本的には左岸歩き、やがて大きな岩に架かるこれまでで一番大きな木橋を渡り進むと木々の間から約15mの一条の流れの大障子滝の姿が見えてくる。
←倒木橋。
滝に近づく手前で右岸支谷からトラロ−プを伝い滝を高巻きする、巻き終えるとネットレポでよく見る倒れた巨木をそのままうまく利用した丸木橋。根っこもそのままでズリ落ちないようにワイヤ−で引っ張られている、ステップが刻まれ滑り止めのゴムシ−ト付き!“いい仕事してますねぇ〜!”、斜面のカ−ブと橋もマッチしていて、なんか楽しくなってしまうがほんの数秒で渡り終えてしまう、写真では結構長そうな感じがしたのだが(^^;)ゞ。
渡り終え谷へと降りればバイケイソウのライトグリ−ンが土の色で一際目立つ台地状となっているのでここで小休止、トガサワラの松毬が落ちていて台地の一部はトガサワラ保護の為ネットで囲まれている。

←キノコ股谷から斜面へ
ここからはまた左岸歩きが基本となりヒクタワ谷の分岐を過ぎれば三之公林道終点東屋から山ノ神ノ頭から西に派生する尾根道の中間P904の少し東にあるキノコ股谷分岐(テ−プに書かれているだけです)を目指す予定でGPSにル−トをダウンロ−ドしているので取り付きやすい場所から斜面を登り始める、ブナやヒメシャラの大木も点在する斜面をジグザグに徐々に高度を稼ぐ、広い斜面には広範囲に渡って目印があり結構使われているバリル−トのようです。
GPSル−トからあまり外さないように登り詰め尾根道に乗る、たくさんのテ−プが巻かれた登山道のキノコ股谷分岐は南東へ150mだった。
←バイカオウレン。
植林内の痩せ尾根を過ぎるとやがてブナが点在する広い斜面歩きとなり有名になったNのヒメシャラが見えてきたが枯れているようだ、どうしたんだろうか?2005年10月に訪れた時にはヒメシャラ色をしていたのに、記念撮影で腰掛けるので尻圧に耐えられなくなったのかな?
周辺のブナの大木には調査用の番号テ−プがホッチキス止めされている、幹周りを計測すると2.7m テ−プを止めているのはこの数値くらいからのようである、360°の原生林から二次林になれば山ノ神ノ頭着。

←ブナノ平。
高見山までの縦走路は歩いたので繋がっているがここから南はほとんど未踏、台高独特のアップダウンの繰り返しや痩せ尾根通過そしてロ−プを掴んだりもある変化に富んだ稜線歩き、踏み跡も薄く支尾根に入り込まないように注意しながら進む、初めて見るバイカオウレンの自生地で足を止め白い可憐な姿をカメラに納める、ケルトさんも久しぶりの歩きで疲れた様子だがバイカオウレンに癒されたようで少し回復。
復路に下る湯谷左岸尾根の取り付きピ−クを確認し切り立った岩場を慎重に降りP1164への緩い登り返し、ここはKさんがP1170まで詰めて右往左往されレポで‘北から歩いてきた場合、縦走路はピークの20m手前でほとんど直角に右折’と詳しく書いてあったので注意しているとかなり手前から山腹をトラバ−スするテ−プがありほとんど登る事なくブナノ平へ一気に下る事ができた。
←ブナノ平南東の沢。
ブナノ平を少し南東に下れば使われていない無人雨量計があり背後の沢にザックを降ろし水を確保しおそ〜い昼食、食後は周囲を散策、南東へ少し下ると右からも沢が合流、下流域は両岸共くら〜い植林となりブナの大木など1本も見あたらないので引き返す、ザックを背負い縦走路までの斜面のブナの幹周りを計測、太いので3.3m・3.1mこの前後が多い、ミズナラはもう少し太いのがあるようだが時間が無いのでブナだけに集中、ケルトさんがあれは?少し離れた所の斜面に確かに太そうなブナ、4mは楽に超えていそうだが上部の枝が折れ小さな枝もほとんど無いので枯れているようだ!稜線へと戻り北側斜面も見渡すが2m少しがほとんどで6m超えのブナは発見出来ず、ここもハズレかぁ! 湯谷左岸尾根に期待する。

←湯谷左岸尾根北斜面の溝。
時間も15時を過ぎたので戻らないと闇下になっちゃう!来た道を戻り目前の岩場は巻いて来たので左へ巻く、げぇ!これ以上進めない!鹿道だ!こんな際どい斜面を歩いていない事にようやく気付く、巻いたのはまだまだず〜と先の岩場やったか?、GPS軌跡を50mまでズ−ムして見ると岩の上を越えてきている!大ボケ!1発目f(^^;) Uタ−ンするより上の鹿道から戻る方がいいかと2m上へ這い上がり岩場の上に出るがもう少し傾斜がきつかったらロ−プを出さなければならないところだった、ケルトさん‘足が震えました’と恐怖を語る。
←今日一番のブナ。
岩場を過ぎ稜線も徐々に広くなり足取り軽く確認していた尾根取り付きピ−クもすんなりと150m通り過ぎ‘(・_・?) ン?今のピ−クは!あちゃ〜行き過ぎた〜’大ボケ2連発!反転し斜面をトラバ−スしながら湯谷左岸尾根を目指すが、前方には豪雨でV字にえぐられた雨裂があり越える事が出来ない、仕方なく雨裂に沿ってしばらくジグザグに下る!下る!ようやく雨裂が浅くなったところから尾根芯に乗っかり小休止。

←フタクラ谷。
大ボケ2連発で1時間近くのロスタイム、ここからは尾根を下るだけなのでケルトさんに先行してもらうが何故か尾根芯を外れ歩きにくいところを好んで進んで行くf(^^;) 尾根は枯葉が堆積しフカフカ地面は膝に優しく下りやすい、天然杉にブナやトガサワラはどれも大きいが一際大きなブナが現れ計測すると3.7mで本日の最高記録となりその後大木は存在しなかった。
満開となった馬酔木が多く見られるようになると尾根も細くなったり灌木を避けながらと少し歩きにくくなるがポッカリと拓けたところに飛び出した、数本の横桟が取り付けられ立ち枯れした木が2本、地面にはワイヤ−ロ−プが放置されている。
←灌木の尾根に。
ここから見るアワホラ谷やミコシ谷の斜面の伐採写真を以前見たことがあるがその時よりも悲惨な状況である、谷には土砂が流れ込み斜面の地肌はむき出し、滝股谷沿いの林道(木材搬出道)も土砂でほとんどが寸断され三之公川にも土砂が流れ込んだ爪跡が残っている。
この光景をしっかりとインプットし更に尾根を下る、ここからは放置されたワイヤ−ロ−プも多く見られ灌木も覆いかぶさり地図で見るよりも尾根は細くなったりもするが、微かな踏み跡があるので尾根から外れる事なく三之公川河原に18時前に着地、なんとか闇下は回避なので河原で大休憩。

林道をテクテク歩き駐車地に戻ったところで暗闇となる。

伐採跡を目の当たりにして自然の大切さをあらためて考え直すいい山行だったね!とクタクタヘロヘロのケルトさんも満足感に溢れていました。
川上村はこの貴重な天然林を保護するため、1999年所有者から買収交渉をはじめ三之公川から北地区約740haを購入、現在では「水源地の森」として保存されています。

今回も大ブナは空振りに終わってしまったが帰路ふと思い出す、昨年7月に七面山方面を周回した時に中尾尾根で大ブナと記念撮影していたのだった、幹回りは計測していないがあらためて写真を見る‘ぶ〜と〜〜い’(~ ~;)ウーン気になるなぁ〜。

大障子滝 キノコ股谷 Nのヒメシャラ
滝股谷 バイカオウレン ニッコウネコノメかなぁ?
s(・’・;)ゞ エートォ アブラチャン コガネネコノメ












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