ヌタハラ右岸尾根~ヒキウス平~桧塚奥峰【北部台高】


ヌタハラ右岸尾根(ヌタウ)で恐怖のナイフリッジを体験




レポはケルトさん


 2011年11月27日(晴れ)

3週間ぶりのお山、次のオフの下見で今回はバリバリルートになるとpiccoloさんから聞かされていたが、まさかここまでスリルを味わうことになるとは・・・

蓮ダムの辻堂橋を渡り林道走行中、何気に上を見ると蓮の学校跡に車が1台止まっているのが見えた。piccoloさんに言うと「ん?ちょっと戻って見てみよう」とその車の所へ。「これは、zippさんの車やなあ」「えっzippたんが来てるの?」またニアミスかな?。

私たちは、もう少し先のヌタハラ出合まで入って行った。ヌタハラ谷の橋を渡れば倒木で侵入することが出来ず、出合付近に戻り駐車した。7時50分に出発。
ル-ト スライドショ- 書き込みお待ちしていま~す♪管理人@ケルト&piccolo
 
←まだ余裕~。
千石林道ゲ-トを数m過ぎたところで尾根を見上げるpiccoloさん。
「取り付きはここやな」、そこを見て、えっ!こんなところから入っていくの?いきなりやなぁと思いながらも、今回は今までとは違うような所を行くんだ、どんなルートなんだろうと好奇心が疼く。

3週間ぶりなので、ちょっとしんどいなぁと感じながら登っていく。

すると尾根を塞ぐ岩が出てきた。「これは巻かないといけないなぁ、右側から行ってみよう」とpiccoloさんも手探り状態。今回は仕事が忙しくて事前調べがほとんど出来なかったそうです。
←なんだ坂こんな坂!。
piccoloさんのうしろをついていく。「ええ~これは・・・」足がやっと置ける幅しかないところを、木の根を頼りに岩にへばりつくように横ばいしながら行かないといけない。「ひぇ~・・・いきなり危険地帯」下を見たら恐いので、滑落しないように慎重に進んで行く。
10mくらいそんな調子で、木の根がしっかりしているものと朽ちているものとがあって、朽ちてるのを掴んでは焦る。
どれがしっかりしているんだろうと怖々進んで行く。ここまで来たら戻るに戻れない。

中途半端なところで怖気づいてきて、piccoloさんに引っ張り上げてもらう。「あ~~~恐かった・・・」

←夢中になっちゃいました~。
「ルート取りを間違えたみたいや、ここから上へ這い上がって、尾根芯に出よう。」今度は木の根を掴みながら上へと這い上がっていく。
なんとか尾根芯に復帰。「ほっ」である。

ここからは普通の尾根歩き、急登・なだらか・急登・なだらかと登っていく。

いろんな木の実や松ぼっくりを拾うのに何度も足を止めていたら、“行くでぇ~”と注意はされていたが、ついつい足元に落ちている木の実が…、しまいにはpiccoloさんにお叱りを受ける(ゴメンナサイ)。
事前調査がほとんど出来てなく時間読みも不明らしい…。
←この時はまだ余裕。
しばらくで樹木がなくなると行く手の視界が開けはじめてきた、「まもなくかなぁ~?」登りきるとナイフリッジが現れた。
「ここは、以前火事になったから倒木が焦げてるやろ」と教えてくれた。「ほんとだ 焦げてる!!」
しかしこの尾根は細いね~、と見た目ではまだ余裕な感じでいた。

ここからは不動滝が見える、すっかり落葉した樹々のおかげで斜面の土も丸見え~、霞みもなく周りの景観もきれいすっきりと見渡せる。

景観と苔の写真を撮ったりしながらのんびり小休止!この後の恐怖感を味わう事になるのも知らずに…のんびりと~。

←写真では伝わらないナイフリッジ。
バンダナショットも撮り、大丈夫そうだわとpiccoloさんのうしろをついて行くが、もっとも恐いのはこの先らしい。

すると聞きしにまさるナイフリッジ現る!!思っていたより危険だ。ホントにナイフの刃先状態の尾根芯で「細っ!」、piccoloさんが行くが、アブナソ~・・・というのも北側は谷への絶壁、南側は少しましだが似たような感じ。

「右側に落ちたら終わりやで!落ちるんやったら、左側の方がまだマシやで」と言われ恐怖を煽るアドバイスY(>_<、)Y…。
←不動滝。
刃先に右膝を着き南斜面に左足で一歩踏み出すが、もう一歩の足がすくんで思うように進めない。刃先に掴めそうな手頃な岩があるのだが、これがグラグラ動くし、ポロポロ割れるもろい岩。
掴みどころがない~~、「うぇ~ん、行けないよう」気持ちは行けると思うのに体が言うことを聞かず、しばらくしゃがみこんでしまう。
戻りたいけど、来た道を引き返すのはもっと危険なので、意を決して前に進むが滑落するのでは…自分に「落ち着け~」と言い聞かせていると、察してくれたpiccoloさんが戻ってきてくれ、手を掴んでくれたのでなんとか渡り切れた。
一歩間違えれば奈落の底やん。心臓がバクバクだ。
なんとか気を取り直して、せっかくのお山を楽しまなくちゃと気持ちを切り替える。

←おこげの倒木多し。
倒木をくぐったり跨いだりでナイフリッジ後半を通過して尾根を進んで行くと、またまた大きな嵓が行く手を阻んでいる。

右は谷への絶壁で巻けない、piccoloさんが岩を直登するが私には無理らしいと戻ってくる…。どこかにテープは巻いてないかと、目を凝らして周囲を探すがどこにもない、ここまで来て前に進めないのか・・・・、左から巻けないか、偵察に行ってくるから待っといてと言われるがpiccoloさんはなかなか戻って来ない。一人取り残され不安・・・。

後ろを振り返るとpiccoloさんが見えた、尾根道を戻って左からの巻きル-トを偵察に行ったが、姿がまた見えなくなったが「テ-プがあったわ」の声が聞こえた。
←4WD!。
「戻って下から登っておいで」と言われ、その通りのルートを行こうと下りたはいいけど、ここも結構危険地帯やん・・・・足踏み外したら、ザザザ~~~~と滑り落ちて行きそうな感じ。

慎重に斜面にへばりつくように横ばい、木の根を探して掴みながらpiccoloさんの居てるところまで行かなきゃいけない。
もうあと少しの所で、木の根がない・・・どうしよう・・・こんなところで止まったら、余計危ないやん・・・とにかくなんとかして行かないと、どうしようもない。

上の方に這い上がって、なんとかpiccoloさんの所へ辿りついたが、ここからもまだ安心はできないような急斜面だ。

←快適な尾根の台地。
木や根を掴みながら4WDで這い上がっていく、すると黄色いテープが巻かれている木が続いている。やっとこさ尾根芯まで這い上がって一安心。
ここまで来るのに、どれだけの恐怖感を感じたか・・・ 無事に来られてよかった~。
ここからは、尾根を登って行くだけだ。しかし、第一目的地であるヒキウス平まではまだまだかかりそうだ。ダラダラ登りが結構続いて暑い~ 汗だくになる。
尾根が台地状に広くなり登りも緩やかになると、ヒキウスの第3劇場が見えてきた~ いい感じ~ でも風があって汗ばんだ体なので寒い~((+_+))12時くらいになっていた。誰もいない、とりあえず写真を撮りまくり、第一劇場へ移動。
←ヒキウス平。
桧塚奥峰に2~3人いるように見える。手を振るが見えてないかなぁ。お腹もすいてきたのでお昼場の沢へ移動。
沢沿いに氷が張っているところがあった。ここら辺は冷えていたのかなぁ?バリっと踏んでみたい気分だが、ここにしかないので残しておいた。
昼食は、カニみそラーメンと卵がけご飯。食後のコーヒーを飲み終えるともう13時半だ。登りで1時間ロスっていたからのんびりしてられない。早々に片づけて桧塚奥峰へ。

沢から枝尾根に登る途中、南西の尾根が見えるあたりまで来たときどこからともなく「piccoloさ~ん」とお声がかかり「ほぉ~~い」と返事するpiccoloさん

←ここいいわぁ~。
カびっくりした~「誰???」「誰ですか~~~?」反応が返って来ない。気味悪い~~~と思っているとpiccoloさんが「あれはzippさんや。」
あたりを見渡すが人影はない。谷から?どこから? 向かいの尾根に2人組みの姿を確認。でも遠すぎて誰だかわからない。
「ほんとうにzippたん?」「まちがいない」とpiccoloさん。しかしなんでわかったんだろう?不思議???(あとでpiccoloさんに謎解きをしてもらった)目視できるニアミスのすれ違い、zippたんたちはヌタハラ谷の方から下山なのかなぁ?

桧塚奧峰は貸切、ここから見る桧塚方面の鞍部の景色がお気に入りなのです、冬枯れのヒキウスから南西尾根の景観も大好き~。
←林道の崩落箇所通過。
時間も迫っているので撮影もそこそこに、ザックを背負い桧塚を通過して1214Pで右折れして南の尾根から下山。不動滝に寄る予定でしたが時間切れでパスだそうです。

またまた木を掴みながら、下りて行く。1時間くらいで、林道へ出た。

クネクネ林道を適当にショートカットしながら下りて行く。何ヶ所か台風の影響で林道が寸断されている所もあったりするが、歩くには支障はない。

何気なく下の林道に目を向けると二人の歩く姿が見えた。

←残り紅葉~。
「zippさんやわ」とpiccoloさんが呼んでみぃと言ったので「zippた~~~~ん」と大きな声で呼びかけると気付いて手を振ってくれたが、立ち止まってはくれなかったY(>_<、)Y。
遠めながらも認識できたのでよかったねと言いながら、ここからじゃあ追い付けないのでのんびり下山。

すると林道のカーブを曲がったところで待っていてくださった!!3年ぶりの再会です~ zippたんは、びいちゃんさんと二人で来ていたよう。ちょこちょっこっと会話をして、「今日は3回ビビりました・・・」と報告。zippたんたちはそのカーブから林道を逸れて古道から駐車地に行くとのこと。
←おつかれさま~。
私たちはそのまま林道歩き、またショートカット出来そうなので崩落したザレ場を下りて行くが、林道に出る手前で尻もちをついて(また崩落が酷くなってしまいました by piccolo)、それまで汚れていないズボンの後ろが泥まみれになってしまった。最後の最後にやってしまった…。

16時半に車へ戻って来られた。
前半は恐怖におののく大変な山行となり、オフには超危険!なので4日はコース変更する事に。


今日もケガなく無事に帰って来られてよかった~としみじみ。
やぶこぎ好きな人たちはこういうところは平気なんだろうなぁ~、今日の私はへたれちゃんでした・・・。
コワゴワ~
氷や~
不動滝丸見え~
恐ろしかった~











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