黒石谷(本沢川出合)~林道終点【台高】




下流と言えどもあなどれないよ!




2017年07月08日(晴れ)


レポはケルト


様々な状況で沢装備に慣れないといけないので、黒石谷下流を練習がてら行ってみようということになった。

筏場管理事務所のご夫婦は元気かな?9時頃に管理事事務所に到着。
今年87歳になるおじいちゃんが事務所前の椅子に座っていた。
1年ぶりのご挨拶。奥さん共々お元気そうで何より。
お二人に見送っていただき、出合に掛かる橋のお地蔵様に挨拶してからすぐ沢に降りる。

昨年、林道終点から扇滝は沢3級だったけど、下流域はキャニオニングもしているので遊びながら行けるんだと思っていた・・・。

ツルンツルン入渓~

流れには藻がたくさんユラユラと蠢いているのを見ながら入渓すると丁度いい水温だ。


今週、けっこう雨が降っていたんだけど、水量は多くないような感じ~。


遡行開始すぐに流芯の岩がすべてツルンツルンな事に気付く!乾いた岩に逃げてもツルンツルン!慎重に足を進めなくてはならない状況。


少し慣れてくると、あっちこっちの岩場に点在するサツキのオレンジ色が目に入りとても綺麗だ。


偵察します!

日当たり良くて沢幅も広く、台高の沢ならではの透明度!気持ちがいいね~と進んで行くと100m先に2条の岩間滝が見えた(近寄ると3条)。落差はないが凄い水流に見える。


両側岩場で少し戻って巻いても、沢に戻るには懸垂下降しなければならない傾斜。
piccoloさんが左岸側の岩伝いを浸かりながら進んで行くがどこから登るの???。


3条岩間滝を見ているpiccoloさん、やはり流れがきつくツルツルそうなので無理っぽい雰囲気。
左岸をグルリ見まわして大岩の下に取り付き隙間から登る様子が伺える。


お疲れ気味のpiccoloさん

ザックを下し岩場にカムを噛ませシュリンゲをセットして第一歩の足掛かりを確保したようだ。


そして岩と岩の隙間から上へと登ろうと第一歩をシュリンゲから外したけど、足掻いているように見える!。
大丈夫なの?見ているとハラハラドキドキ!戻って来てと思うがpiccoloさんは諦めない。


腕力だけで大岩に登ろうと堪えているみたいだけど、何度か動きが止まり(休憩してたんだって)、なかなか登れそうにない。


癒し渓

かなり難儀して登り切り大岩上に座り込んだ。
piccoloさんが行けても私にはレベル高すぎやろう・・・。


取り合えず岩の下へと移動。先に二人のザックをシュリンゲで引き上げてもらう。
カムは回収してシュリンゲで引っ張り上げてもらうが、岩の隙間が40cm程しかなく上半身が岩上に辛うじて乗ってるだけで腰から下は宙ぶらりん!。


piccoloさんが足掻いていたのがよく判る状態!ハーネスが岩角にも引っ掛かっているのですんなりと引っ張り上げれないし!


凄いコケってます

体を左右に振り振り、ハーネスの引っ掛かりを外しつつ徐々に引っ張り上げてもらい、ようやく抜け上がる事が出来た。
ふぅ~!かなり体力消耗の岩抜けやったぁ~、何とか乗り越えられてよかった。


入渓地から僅か170m進むのに1時間弱を費やしてしまった。のっけから上級者向きやないか~~~~。


登っている時に林道で危なくないところまで歩いて入渓した方がと、弱気な思いが一瞬よぎってしまったが登り上がって広がる美しい景観を見て頑張って良かったと感じた。


穏やかです~

岩抜け上がりから暫くはツルンツルンだけど、トントンと進んで行ける。途中で泳ぎも入るがいいお天気と開けた谷なので、全身濡れてもまったく寒くない。

先程の難所を忘れるくらい楽しい気分になる。イモリ君も1匹いたよ。沢の中でたくさんのお魚が気持ちよさげに泳いでいる。


ここはキャニオニングツアーで使われているらしいので帰りはキャニオニングが出来ると楽しみを持ちつつ進んで行く。
次に4mの滝が出てきたがこれは左岸側から登れる。


核心部が見えてきました~

アオハダトンボの雄がたくさん飛んでいる。沢の真ん中の岩場には薄紫のギボウシとサツキの花が可憐に咲いている。


目の前に大きな釜と20m大タイ滝が見えて来た。幅があり凄い迫力だ。さて何処から登るんだろう?。


釜の手前から左の岩場を登って滝横の斜面に出る。piccoloさんがフリーで10m程滝横を登り、そこから左の大きな木のある茂みの中へと入って行った。


迫力ある大タイ滝

そこからザイルを下してくれ私もアッセンダー装着で続いた。足元が滑るので登るのに難儀しました。
ここから滝上へと出るので、ザイルをハーネスに取り付けてpiccoloさんの合図を待つ。


ザイルが引っ張られた、笹薮茂る土斜面なので歩きやすいけどそれも10m程、その先滝の落ち口に降りるのが岩盤の上で、傾斜は大釜に向いていて厄介だ。ここで滑ったら大釜まで…(';')


木に取り付けていたシュリンゲ頼りに落ち口へ無事着地、ふぅ~緊張度MAXやったぁ~。


大タイ滝は、下から見るより高度感あり緊張

滝上から見る景色は綺麗だ。飛沫が虹色に揺らいでいて、まるで泉の精が踊っているように見える。苦労のあとのご褒美を貰った気分です。
ここからまた穏やかな流れになる。


しばらく進むとまた難所だ。岩場が狭くなって流れがきつそうな所へと出た。両側の岩は滑りそうだ。piccoloさんが、両腕を突っ張り進もうとするが、水流に押し戻されてしまう。


態勢を立て直し挑んでいくと次はなんとか登り上がれた。


大タイ滝の精霊かな?

私も続くが、水流で足が持っていかれなかなか前へと進めず、その場所から流されないようにその場に留まるのが限界。


piccoloさんがシュリンゲを出してくれているが、水流に飲まれてもうちょっとってところで手の届く所に流れてこない。


そんな時、背中が一瞬押されたようにふわ~と前に出る!、ファイトーイッパ~~ッツ!!なんとかシュリンゲに手が届き突破することが出来た。
水の精が背中を押してくれたのかも。(piccoloさん曰く、流れが巻いてたからや)。


岩場が多くなってきたよ~

しかし二度あることは三度あるんだなぁと感じた。大タイ滝を登ってあと1回難所が来るなぁと思っていた。
取り合えず乗り越えられてよかった。


先に進むと、大岩が点在する岩場となり連瀑が見え突破するのに時間が掛かりそうだったので、少し戻って林道に這い上がり10分で林道終点へ。


もう14時近くだ、沢へと降りてランチにする。
進んだ距離は知れているのに、難所を乗り越えるのに時間が掛かり過ぎた。でもいい練習となりそこそこの満足度。


水流がきつそうなのでパス(=^^=)

ランチを終えて、キャニオニングせずに林道で戻ることに。


オニグルミがもう青い実を付けていた。1房5個か6個あるのかな?あっという間に駐車地へと着きました。


着替え終わった頃、管理事務所の奥さんが休憩においでと家に招き入れて下さりコーヒータイム。
フルーツも頂きながら、しばし談笑して沢を後にしました。


岩場の連瀑で林道に上がる

難所で時間はかかったけど、黒石谷下流も凄く魅力的な沢だった。

今度はキャニオニングも楽しむのだ。


 大タイ滝の巻き

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お花とおじさん
岩場のお花畑
オニグルミ

               

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