苔むした黒倉又谷で涼む【台高】



連続する小滝と小規模ナメを楽しむ♪


レポはケルト


2016年07月02日(快晴の夏日)

出合から入渓したけど巻く

キャニオニング目的の沢歩きもそろそろ新鮮味がなくなってきたので、まだ訪れていない沢を数ヶ所訪れてみる事にして一つ目は黒倉又谷へ。
筏場駐車地に8時到着。


御年87歳のおじいちゃんが出迎えてくれ、もうすっかり顔馴染みとなり覚えていてくださり、“帰りに家に寄ってコーヒーでも飲んでいき”とありがたいお誘いをいただいた。


用意をして、おじいちゃんに「行ってきます~!!」と8時半に出発。


苔むしてます

いつもは白倉又谷林道を歩いた事しかなく、本沢川沿いの筏場道登山道ははじめて。piccoloさんは何度か歩いていて闇下の下山でここを歩いた事もあるそうだ。


道の両脇が苔むしっていて、ここからラビリンスが始まっている感じでわくわく~。


しばらく行くとpiccoloさんが「なんか小便臭くないか?」「ん?そういえば臭い、この辺に動物のオシッコ場があるんじゃないの」などと言っているとカーブを曲がってすぐ、それも道のド真ん中に鹿さんの亡骸があった。“うわっ…”もう肉片は殆ど無く肋骨が顕になっている。


滝横にへばりついて

何か米粒のような白いものがウジャウジャ動いているのが見えた。“ウジ虫や~”“えっ…初めて見た…”気持ちわる~…。


更に進んで行くと、苔むした小径や樹々のグリーンシャワーそれに澄んだ本沢川の素晴らしい景観がさっきのことを忘れさせてくれるくらい美しい。


地図読みの練習をしているので入渓地を確認しながら、「もうすぐだね」と進んで行く。
下山で降りてくる予定である尾根末端の踏み跡を確認。


ナメ~

本沢川と黒倉又谷出合に到着。地図を見ていると滝が連続して出てくる、最初は4mの滝。


入渓して、腰ぐらいの深さになる。夏の日差しが照りつけているので丁度いい水温!気持ちがいい~。


滝が出て来た。ここは右岸を巻いて連続する滝を巻きながら下を覗き見、台高ブルーにうっとり。


ちょこっと危ないところも出てくるが残置ロープが張ってあるのでありがたい。


うんコラセ

しかし全体的な苔むしり方が半端ないほど凄い!!いろんな種類の苔が岩に張り付いていて苔好きな私には夢の世界だ。


小滝の水量は多いようですが滝横を登ったり、巻いたりでそこそこのスリルを味わえる。
巻道斜面は粘土質が多く、木の根っ子を掴んで踏ん張ろうとすると滑ったりで難儀する箇所も。
高さはそんなになくても何回か緊張するが乗り越えるたびにほっとする。


とにかく初めての場所で先は長いので転ばないよう、怪我しないよう注意に注意をしながら、でも最大限に楽しみながら進んで行く。


たまに泳ぎます

遡行図を見ると、“この先また滝が連続してるよ”とか言いながら探検気分も盛り上がる。
今までコースはpiccoloさん任せで、地図読みをしてなかったので自身で地図と周囲を照らし合わせ進んでいくと楽しみが広がる。


陽射しが入り込んだナメの始まりで小休止、いい具合に浸かれるくらいの淵があり水浴を楽しむ。


今日は地元は本格的夏日だから、こんな美しい場所で涼めるなんてめちゃくちゃ幸せ。
地図を見るとやっと半分くらいだね、小腹も減ってきたので少し腹ごなし。


ヨイコラショ!

この先からはずーっと続く苔地帯、こんなに苔で谷がグリーンぽいのははじめて見る景観!。


お日様も樹々の隙間から射しこみ、葉っぱも沢もキラキラ輝いている。


大岩をよじ登るアスレチックや、小滝の水圧に負けないように登ったりでずーっと楽しさが続く。
所々でキノコを見つけたり、急がずマイペースで楽しめるのがいいなぁ~♪。


この後ドボン

地図を見るとまもなくで遡行終了の植林廃小屋に着きそうだ。もうお腹がペコペコで13時過ぎに到着。


思っていたより小屋の規模が大きく、せっかくなので付近を見て回る。例のごとく、一升瓶は大量に捨てられている。


五右衛門風呂が小屋の外にある。昔はみんな沢の水を汲んで汗を流していたんだねえ。


小屋の中を覗くと二段ベッドになっていたり、炊事場も残っている。以外にもガラスの小窓がいっぱい付いていた。どんなふうに過ごしていたんだろう?


いい眺めです

見たところ結構な人数が過ごせそうで、山仕事から戻ってきてワイワイお酒を飲んでいたのかな?


私達もランチにして、14時にここを後にする。
帰りは黒倉又谷と白倉又谷間の植林尾根を下る予定なので地図にコンパスを合わせて、靴を履き替える。


植林廃小屋の少し下流左岸側に薄い踏み跡(杣道)があるのでそれを辿る。


植林廃小屋で終了

概ね880m付近をトラバースするように杣道は続いていて、870mで尾根芯に乗り840m小ピーク(小岩峰)が見えてきた鞍部で小岩峰を巻くように右植林斜面を100m程ズルズル下ると超薄~い杣道(ほとんど獣道)が現れる。


この杣道は尾根芯850m付近で北東に分岐した尾根から来てるのかも?次回はそこから辿ってみよう!


その後超薄~い杣道を見失ったりするが、下りながら探せば復帰を2回程した後は明瞭となりつづら折れとなれば本沢川の流れが聞こえるようになり、どんどん降りて行くと朝確認した尾根末端の踏み跡から予定通りに降りてこられた。


サイダー

車に戻る前に白倉又谷で水浴び~~チョー気持ちいい~~~。
時間は16時過ぎ、おじいちゃんの家に行くと「お上がり」と迎え入れてくださった。奥さんがコーヒーを入れてくださり、おしゃべりタイム。


おじいちゃんはごく最近まで狩猟もされていて、若い頃のニホンオオカミ目撃談や獲った熊の毛皮を見せてくださったりと興味深い内容ばかり!!もっともっと聞きたいことがいっぱいだったけど、時間も遅いので御暇することに。

夏はこれから!まだまだこの界隈の沢歩きとご夫婦に会える事が楽しみなりました。



トロッコの車輪発見 五右衛門風呂
840mの小岩峰を右斜め下へ 子熊さんの毛皮

               




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