熊渡〜双門滝落差約80m〜狼平〜カナビキ尾根【大峯】





2008年10月25日(後時々晴れ) 
 
                             
難所と言われている弥山川双門滝コ−ス、鉄梯子の連続や道抜けした箇所も多く毎年滑落死亡事故が数件起きている。
つい最近も途中で引き返した為に転落しヘリで救助されるニュ−スがあったばかり、地図にも下山には使用しないほうがいいと記載されている危険なコ−スでもある。
弥山川コ−スといっても河床を歩きより巻き道や迂回路が多くその上垂直に近い鉄梯子登りも多くある、また鎖を掴んでの上り下りも数多くあるので体力を必要とします。
      GPS軌跡 コ−ス断面 スライドショ−
コースタイム(全行程約12時間・全歩行距離約14km)
熊渡 06:05〜07:15釜滝〜08:35一ノ滝08:45〜10:05双門滝10:30〜三鈷滝11:35〜12:30河原小屋〜14:25狼平
(昼食)15:05〜16:05カナビキ尾根分岐16:20〜17:50熊渡

←白川八丁河原。
予定通りAM6時前に熊渡着、先客の沢装備5人が橋を渡り出発、もう一組京都ナンバ−の男女二人ははじめてらしく予定を聞けば僕と同じコ−スなのでカナビキ尾根の分岐はプレ−トにマジック書きしかされていないはずだから見落とさないようにと説明すると先に出発された。

最後尾から林道を歩く事30分ほどで河原へと降りる分岐があるが、ん?ここじゃなかったかな?たしか以前は双門滝コ−ス通行止めの立て看板があったが無いのでこの先やったかと50m進むと先発された7名が下りてきた!双門コ−ス?と聞かれたので“そうです”じゃそこやわと先ほどの分岐を指さされた。
←釜滝。
伏流の白川八丁はネットのレポで写真をよく見るが紅葉し始めた景色はより美しい、10分も歩けば水が流れ釜滝までは9人が前後しながら歩くが沢装備組と僕ら長靴はなんなくジャブジャブしながら渡渉するが京都の男女はその度に靴を脱いでいるので少し離れる。

白川八丁の奥は釜滝で終わる、落差は約5mほどだが末広がりの滝となっており迫力がある、滝下の淵も広くて深そうである、ここで沢装備の方の後ろ姿を見送る事になり以後会う事はなかった、ここから右岸を巻き濡れたツルツルよく滑る木橋を渡ればそのまま河原を見下ろす斜面歩きとなる。

←大岩をよじ登り。
関電の取水堤堰を過ぎれば色づきはじめた対岸のカナビキ尾根東斜面を撮りながら進むが、所々で梯子などが朽ちていたり崩落してるので巻き道となるがまだ余裕でゆっくりと高度を稼ぐ、いったん河原に下り一の滝までは大きな岩ゴロゴロ地帯を乗り越え進む、大岩をよじ登る難所を過ぎれば大きな滝音が聞こえ吊り橋が見えれば一ノ滝と奥には二ノ滝。
←一ノ滝と吊り橋。
一ノ滝前の大岩上で滝を見てると飛沫が霧状となって飛んでくるので体がヒンヤリとしてくる、飛沫で濡れた大岩を慎重に下り吊り橋を渡り対岸へ、番号の書かれた鉄梯子や崖っぷちのチェ−ン頼りのへつりをこなし、大岩を潜り抜ければこの先は垂直に近い鉄梯子登りがこれでもか!またか!またぁ!おおぉ〜2連チャン(。>_<。) というぐらい連続して一気に高度を稼ぐ、最近体力が落ちてきたというケルトさんはペ−スが上がらず意気消沈。

←東剣状?。
時折振り返れば弥山川の谷の紅葉が美しい、左手が東剣状かな?水量は少ないが垂直な岩壁を流れ落ちる一筋の流れは額に入れた風景画のようだ。

梯子の次は崖っぷちのような所の岩場の鎖を掴んでよじ登るが(途中で下を見て縮こまる思いした〜(f^^))途中倒木も潜らなければならずザックを背負っているのでちと辛い姿勢を強いられる。
←双門滝。
難所を越えれば少し平な所に出て対岸の絶壁が見えたので、‘おっ滝見平か!’絶壁は見えるが滝は見えずまだ手前のようです、ここから10分ほど登り川側に下れば平な場所となりさきほどより広く滝見平と分かる、ここが双門滝の展望地、垂直に立つ仙人ーの岩壁と落差80m溝状の流れは写真以上の絶景でこれまでの疲れが一気に吹っ飛ぶ!逆光気味なので写真では綺麗な色合いはでないのが少し残念だけど、垂直鉄梯子をたくさん登ってきた甲斐がある〜(f^^)。
ここまで来れば垂直鉄梯子を下山に使うのは危なく前進あるのみ、ここから弥山川を大きく離れ迷ヶ岳から北西へ派生している尾根へ約200m登らなければならない、途中頂仙岳方面が望める場所があったので寄ってみると岩には女性名の遭難プレ−トが取り付けられてあったので合掌。

←キノコ?
梯子のない(f^^)快適尾根道を登るがケルトさんが見たことのないキノコらしいのを見つけたり、雪虫っぽい虫を観察するなどで何度も足止め状態だが少し余裕がでてきたみたい(=^_^;=)。
ようやく弥山への案内標識が設置されたザンキ平の肩に出る、金剛山からぐる〜と稲村ヶ岳や尖った大日山もくっきり望めるし紅葉した山並みのパノラマ風景を楽しむべくここで小休止、この時点でお昼に狼平着は諦める。
ここからは錆びた梯子を下り斜面はチェ−ン頼りに下降、色づいた木々の間からは三鈷滝も見え始める、標高1350m付近は紅葉真っ盛り、何度も足を止めついつい眺めたりしながら弥山川河床に下りる。
←河原小屋。
何度か渡渉したり岩の上を飛んだり巻き道では67号梯子を渡ればまもなくで河原小屋着、予定時間より1時間半の遅れなのでそのまま通過左岸へと渡れば長細く掘られ石組みされた何かの跡があるが何なんだろう?何度か渡渉を繰り返し岩壁の向こうに連瀑が見えると右岸を巻いた後は川に下り岩上を飛んだり川岸を歩いたりと目まぐるしく変化に富んだコ−ス、川岸の81号梯子を過ぎ大岩を乗り越えるが( ‥) ン?この先に行けない!、二人で辺りを確認すれば少し下流の右岸に黄色のペイントがありル−トに復帰、2〜3の水平梯子を渡り左岸へと渡渉すれば桶ノ谷出合の二俣、右にとり大岩を越えればまもなくで有名なオ−バ−ハングした岩場の吊り梯子登場!。

←吊り梯子。
登るには鉄杭も選ぶ事もできるが吊り梯子を登れば次は岩壁に打ち込まれた鉄杭渡り、アスレチック的なのを好むケルトさんは余裕の表情でここに来てようやく元気回復のようである、聖門ノ滝の廊下を抜ければなだらかな谷となりまもなくで吊り橋が現れ14時半誰も居ない狼平着。

こんな時間やからすでに京都の男女2人も下山してるわな!僕らは大幅な時間オ−バ−(f^^)、早速ラ−メンを作り空腹を満たした後はコ−ヒ−タイム、この間に単独者2人が大きなザックを担いで登ってくる、昼食休憩を30分で切り上げ腰を上げる。
←カナビキ尾根分岐(プレ−トにマジック書きのみ)。
吊り橋を渡り高崎横手へと向かうが、少し登らなければならず食後すぐなので辛い!岩場の上り下りが多かったので足も重く思うようにペ−スは上がらずに真新しい案内板の設置された高崎横手に着きホッとする。

さぁここからは高速道路、頂仙岳からのブナ林を堪能しながら16時カナビキ尾根分岐着、闇下で金引橋に下りるのはなんとか避けられたので小休止、テ−プに従い下るが何度かは折れ曲がったりしなければならず、植林で薄暗いためテ−プを見失しなったりもするがGPSを見ながら下るとテ−プ道に復帰するを繰り返し、闇下前には林道終点の金引橋に降りる。

←カナビキ尾根
15分ほどでヘッデンが必要となり真っ暗な林道をコワ〜イお話しながら熊渡へと戻るが、あれ京都ナンバ−の車がまだある!持ち主の男女は下山していないようだ、尾根分岐が分からずにそのまま川合へと下ったのか?心配なので川合駐在所に事情を電話をしておいた、数日経っても連絡がないし記事にも載っていないので無事戻られたのだろう。

白川八丁 垂直に近い梯子登り 標高1350m付近
弥山川 ザンキ平の肩 大日・稲村ヶ岳
三鈷滝 双門滝滝壺 鉄杭回廊(f^^)
一ノ滝・二ノ滝 狼平 カナビキ尾根












[PR]動画